明日

眠れずにずっと起きている。薄青い朝と乾いた昼と暖かな夜と。ひましに嵩をます水のような恐れは体のあちこちからこぼれてベッドを底なしの沼に変える。離れていった言葉は実体化して、この体よりもはっきりと重く、疎く、不透明にかたく、狂った花みたいにそこに存在しているようにみえる。あまりに生きていないわたしにはそれが触れない。それらは自動的に語りかけ、結果みたいな顔をして、間をすべて塗りつぶしていく。取り返しのつくことがあるのだとすれば、それはもう生きていないんじゃないか。すぎてすぎてすぎて何も残さず持たずすぎるごとに空になって空っぽになって死んでいくんだ。思考するためにこんな世界にいるんじゃない。指を1ミリ動かし息をひとつするのにも疲弊して脆くなっていく体を持て余し、だからどうすることもできずにただ目を開けている。薄青い朝も、乾いた昼も、暖かな夜もひとり。信じていない明日でも、来さえすれば、目を閉じることくらいはできるかもしれないな。