2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

春の突風

それは東南東の高気圧から西南西の低気圧へ向かって吹く。静々と整列した空気を掻きまぜ弛ませ木立のにおいを立たせる。桜の木肌には密やかに上気した頬の色が滲みはじめていて、わたしはシリコン人形みたいなやりかたでそれをみつめるしかない。息はしない…

ばらばら

星がかたっぱしから落ちて山を燃やしているみたいなあれは山の上ホテル。黒い道ふりかえって、澱みをみつめ、またふりかえる。まえうしろくるくるしても闇はいつも背になる手に負えない。だからもっとえぐいああああまい旋律で踏みにじって、ああ。うたいた…

代謝

変えることはいつの世界も結果オーライの粗さで受容、つき従う思想は水のように流れて然るべきよと正反対にみえる主義主張もいつかのおなじ人間によるものなのだった。わたしたちはいつもなにかを変えたいだけなんだって、よくするわるくなるってなにが。代…