オルガン

この皮膚の下の、だれのものでもない血と肉とはあまりにファンタジー的。形式を重んじるようでいて見縊っている半端な設定をぶっ壊してやるよ。鳴る心臓は知る。こおる背にやまない生命が迫りくる。生かしておいて死はさめて、ひとりぼっちだ。鳴る心臓は聴く。意味は脈絡のためにあったんだ。それを愛してやまないのはだあれ。意味の意味の意味の果てをみせて、そうしてやっと体は生る。未熟のままに、大層な幸福を雨に祈った。どうしたってやまない雨は降るのだし、わたしは祈るんだ。幸福のなにかを知らずただ眠るように祈る。絶え間なくあなたの連続性ラ音が聴こえ、この肺は、潰れる。