○ 蜂蜜に蛙がおよぐ

喘ぎながらひりひりと熱く湿った皮膚を自由にする。琥珀色の粒々がぺたぺたと額を濡らすままにみあげると星雲が配列された真暗闇がひろがっていた。気に入りの星雲よりもその闇に気をとられたので目をかたく閉じてから窓という窓を開けて風が吹くのをまった。喉には釣り針が刺さったまま呑みこむことも取りだすこともできないでいる。「どうしようもなくひとりきり」