2009-01-01から1年間の記事一覧

● 輝線スペクトル

わたしにはあの女の人の放射する光のスペクトルがみえる。たぶん。それは橙色。

● タ オ ル

使い愛された(古された)タオルを新品だとおもって使い棄てている。-------タオルはタオルであって、糸でもなければアオイ科ワタ属の多年草ワタの種子からとれる繊維でもないんでしょう。どこからやってきてどんな姿をかつてしていたのかあるいはだれが摘ん…

● 切れそうになってからくもつながっているさま

近ごろまた不整脈がひどい。ちゃんと動いているときのほうが少ない気がするほど乱れまくっている。階段を踏み外しながら安らかに眠れるわけはなくて、さらにひどくなる。悪循環!心と体って、言葉にするとべつべつのもののようなかんじがするけれど、本当は…

● 春雷

犬に、ようよう!とあいさつするのがはやっている。ようよう!っていうと犬はよろこぶ。ようよう!っていうと、うれし切なげな声をあげて走りまわり感極まった様子で飛びついてくる。だからようよう!ってあいさつする。犬のよろこぶ姿をみるのは、でも、ち…

● 春眠

犬がよろこぶことをわたしはする。よろこぶことをすると犬はぜったいによろこぶ。犬がよろこんでいることをわたしは知っているし、犬はわたしがそれを知っていることを、知っている。それを、こころが通じているという!人間だってきっといっしょだ。そんな…

● ここはどこ

たどりついてもずっと向かいつづけなければいけない場所があります。だから帰りみちはみたことがないし存在もしない。

● 手をつないで

きのうの夜、ちょっとだけ手をつないで歩いてみた。初めてだったけど、最後だってわかってた。

● 朝ごはん、いちご

苺がたべたい。苺!苺!苺!苺っていう漢字がウミウシにしかみえない。ウミウシは嫌いじゃない。

● 真っ赤な万歳三唱

うどんをたべるときに、アホみたいに唐辛子をいれた。おつゆの表面が真っ赤だった。もちろんアホみたいに辛かった。わたしは辛いものが大好きというわけではないけれど、極端なことをするのはアホみたいで好きです。

● 今日は帰らなくていい

秘伝のあれはけっきょくみつからなかったので、べつのレシピでチーズケーキを焼いた。18cmの型用の分量なのに手持ちである15cmの小さい型にむりやり生地を流しこんだので、天板の湯せんのお湯にチーズケーキ(になる前のもの)があふれて、焼いているあいだ…

● 生きていることは死ぬこととは関係ない

なんてこと。チーズケーキのレシピを失くしてしまった。いちばんおいしいやつ。もちろんおぼえてなんかいない。

● 機械的消化活動に従属するもの

あのひとのキーボードを叩くやりかたが好きでした。ほとんどそれしか知らなかったから。あのひとのわたしを触るときのやりかたが好きです。ほとんどそれしか知らないから。わたしの魂は今しがた朝食に食べた苺です。たぶん。

● わたしたちは卵で神さまは玉子(無宗教)

ハンバーグに花のかたちに固まった目玉焼きをのせながらおもう。宗教ってこういうことなのかもしれない。

● 線香花火になりたい、もうすぐ夏だもん

睫毛がのびてきた。最近めっきり減って短くなった睫毛がのびてきた。きっと鼻毛ものびてくるにちがいない。わたしに反して元気よく飛びだしていたら、三日後に返信用はがきでおしらせください。

● あることないこと

今日は晴れていて暖かかった。なんて書き出したけどこれは日記ではありません。これから書くことのなにがほんとでなにが嘘かなんてことがもうだれの興味もひかないことを願います。桜の花と葉っぱが同時にひらいてた。そんなに急がないで。

● 結んでひらいて

胸が痛いのがいっしょだったのでうれしかった。わたしにはあのひとといっしょに持てるものがきっとなんにもないので、痛いのだってなんだかうれしかった。それにしても痛いな痛い。心臓をスプーンで掬われているようなかんじがする。