● 秋の風なんてのろまな言葉を

ひっそり銀木犀の匂いがする。金木犀の匂いがつよいときには気づかない。それもこの雨で流れてしまうんだろう。ここにはなにひとつとどまらない。ずっと在るのに見えなくなる。それはわたしが生きてしまっているから。不安定の釣り合い。頭で考えるには短すぎる(或いは…)時間を生きている。永遠にみえるほんの少しの間ここにとどまって淀ませてそしていつか安定する。でもそんなことはどうだっていい。きっとどうだっていいんだよ。